梅雨の語源やその由来と異名

ジメジメと湿った日が多くなってきました。暑い日が続くと体がだるくなり、食欲も落ちてきます。食欲がない時には梅干しや梅酒など梅料理を食べるのがおススメです。梅には食欲増進効果があり、これからの時期にピッタリです。梅雨の時期でも健康に過ごしていきましょう。
ところで梅雨は「梅」という字を使いますね。なぜ梅の字を使うのでしょうか。今回は梅雨の語源、その由来についてまとめてみます。

梅雨は中国から伝わった言葉です。元々は「ばいう」と呼ばれていました。この時期は雨が多く、カビが生えやすいです。カビは漢字では「黴」と書くので、黴雨と書いて「ばいう」と呼ばれていました。
ただ黴という字は難読漢字でもあり、一般に使用するのは難しいこと、またジメジメしたカビを連想させてしまうことから、別の字を使うようになりました。
そこで使用されたのが黴と同じく、「ばい」と呼ぶことができる「梅」の字でした。梅は「ばい」と読めるだけでなく、この時期に旬を迎え、実を実らせることからも適した言葉だったとされています。
ところで梅雨は「ばいう」とも読めますが、「つゆ」と読みますね。なぜ「つゆ」と呼ぶようになったのでしょうか。
これにはいくつかの説があります。1つは雨が多い時期なので、露に濡れて湿っぽいという意味を持っていた「露けし」という言葉から梅雨を「つゆ」と呼んだ説です。
2つ目の説は、この時期は梅が熟して潰れてしまう時期なので、「つぶれる」という意味の「潰ゆ(ついゆ)」という言葉からとったとされています。また、同じ「潰ゆ(ついゆ)」という言葉からとったという説でも、この時期に長雨で食べ物や衣類が傷んでしまう時期だという説もあります。
色々な説がありますが、近年では梅雨を「つゆ」と読むのが一般的になってきました。

なお梅雨には別の名称もたくさんあります。国が変わって中国では同じ梅雨と書いて「メイユー」と呼ばれています。また、日本でも様々な異名があります。
麦が熟する時期に降る雨であることから「麦雨」と書くこともあります。その他にも、6月は旧暦5月にあたることから、この時期に降る雨を「五月雨(さみだれ)」と呼ばれることもあります。昔の和歌ではむしろこの五月雨という言葉の方が良く利用されていました。
これ以外にも「黄梅の雨」という表現もあります。梅の実が熟して黄色くなる頃に降る雨ということに焦点を当ててこう呼ばれています。

梅雨という言葉も国によって異なり、また様々な呼び名があります。ジメジメする日が続きますが、梅の爽やかな香りを楽しんで乗り切っていきましょう。