2019年7月14日 梅干しの効果・効能と知られざる歴史トリビア

皆様、間もなく本格的な夏がやってきます。夏になると暑い日が続き、どうしても食欲が落ちてしまいます。また、体がだるいなどの不調も増えてきますよね。

夏バテを防ぐには食欲を増進させるものを食べると良いと言われます。食欲増進効果が高い食べ物と言えば酸っぱいもの。そして、酸っぱい食べ物といえば、その代表格が梅干しです。

今回は夏バテ予防の必需品である梅の効果や効能、また梅干しの知られざるトリビアなどをまとめてみます。

梅干しを食べるとまずその酸っぱさが口いっぱいに広がると思います。この酸味はクエン酸によるもので、梅干しには他の野菜や果物と比べて多くのクエン酸が含まれています。クエン酸には代謝を促進させる効能があり、これにより疲労回復につながります。また、この酸っぱさが胃液の分泌にもつながり、食欲を増進させてくれます。

また、梅にはカルシウムや、鉄、マグネシウムなどミネラルと呼ばれる成分も豊富に含まれています。ミネラルが不足すると、体のバランスが崩れ、貧血を起こすなど体の不調につながります。

これらに加え、ビタミンも多く含まれており、美容効果も期待できるのが梅です。このように、梅は体に良い成分がたっぷりと含まれており、特に夏場のこの時期には是非食べておきたい食べ物なのです。

そんな梅を使って作られるのが梅干しです。梅干しは昔から健康に良い食べ物として知られており、「一日一粒で医者いらず」と伝えられてきました。そのため、梅干しは食用だけでなく、薬用としても使われてきました。

梅は中国が原産で、古代中国では、熱を下げたり、腹痛を和らげるために黒焼きした梅干しが薬として使われていたそうです。日本でも最古の医学書である『医心法』に梅干しの効能が書かれています。

平安時代に存命した村上天皇は梅干しと昆布茶におり病を治したと伝えられています。この時の梅干しが申年(さるどし)のものだったことから、「病が去る」とされ、その後鎌倉時代に入ると、縁起が良い食べ物として使われてきました。

梅干しが広まったのは江戸時代に入ってからとされています。庶民の家庭にも登場するようになり、紀州・南部周辺の梅が江戸の街に出荷される量が増えていったのもこの時代です。

このように古くは薬として活躍し、そこから縁起物として食べられ、さらに庶民に広まっていき、今のように梅干しを食べる習慣ができてきました。

昔から健康に良い食べ物である梅干し。皆さんも酸っぱい梅干しを食べて、この夏を乗り切っていきましょう。