梅の花・梅の実はいつが最盛期?梅の一年を知ろう

梅は古くから多くの日本人が観賞してきた花であり、新元号「令和」の元になった万葉集には、宴を開き、梅の花を題材に和歌を詠むという場面が描かれています。

このように梅は日本人に身近な花ではありますが、では梅はいつごろに花が咲き、いつ実がなるのかご存知でしょうか。梅酒をよく飲んでいる方も意外と梅のことを知らないのではないでしょうか。そこで今回は梅の一年をご紹介し、梅の花や梅の実の時期を確認したいと思います。

梅の花の咲く時期は?

一般的に花は春に咲くものと思われています。数ある花の中でも梅は一年で最も早く咲くと言われています。和歌山などでは1月下旬頃から咲き始め、その他の地域でも2月頃には咲き始めます。年によりますが、1月下旬から3月上旬にかけてが梅の花の見ごろと言えるでしょう。春と言われると桜が思い浮かぶかと思いますが、梅は桜よりも早く咲き、「春を告げる花」と言われています。

受粉から生長へ

梅の花が咲くと、ミツバチが花から花へと飛び回り、受粉を行います。受粉によって梅の実が徐々に生長していきます。梅の花が咲いた後の3月から徐々に実ができ、4月から5月にかけて実が大きく育っていき、果肉の大きい梅の実がなってきます。

青梅の収穫

大きく生長していった梅の実の収穫は6月頃となります。この時期は梅の実がまだ青く生っている時期の収穫となり、梅酒用の実としての収穫になります。

日本では6月に梅雨の時期を迎えますが、この「梅雨」の語源にはいくつかの説があります。その中の1つに、梅の実が熟する頃に降る雨ということで「梅雨」と名付けられたという説もあります。また、梅雨以外にも「入梅」という言葉もあります。これは本来梅雨入りを指す言葉で、季節を表す用語と梅が結びついているものも多く残っていますね。

完熟梅の収穫

6月に梅酒用の青梅を収穫しますが、これはまだ梅の実が完全に熟する前の青い時期に収穫をします。それに対して、梅の実が完全に熟して、落下してきた実も収穫します。こちらが梅干し用の梅の実として利用されます。この梅干し用の梅の収穫が6月下旬から7月頃に行われます。

次の一年へ

収穫された梅はその後梅酒や梅干しなどに利用されますが、残った梅の木は次の一年に備えることになります。秋ごろには、葉っぱもなくなり、次の年に向けて梅の木の剪定や肥料やりが始まります。梅の木の状態に合わせて剪定を行うことで翌年の梅の実が再び大きく生長するように促しています。

上記が梅の一年のサイクルとなります。これからの時期はまさに梅の実が大きく育ち、収穫に向けてのラストスパートという時期になります。梅の実の成長を期待しながら、梅酒や梅シロップを楽しんでみてください。