梅の収穫のタイミングとその特徴

5月に入って暖かい日が増えてきました。これからは梅雨の季節に入っていきます。梅雨は梅の収穫の時期でもあります。

梅は雨による水分と、晴れた日の日光を浴びることで成長していきます。2月~3月頃に梅の花が咲き、その後新芽が咲きます。4月頃になれば次第に梅の実もぷっくりと育っていきます。梅農家では収穫のためのネットを敷いて、梅の収穫を待ちます。梅雨の時期に入るといよいよ収穫時期です。梅の成長具合を見ながら収穫を行います。

一口に梅と言っても、どのタイミングで収穫するかで、色や味、どういった用途に向いているのかが変わってきます。その特徴を知ることで、より美味しい梅を食べることができます。

今回は梅の収穫のタイミングとその特徴をまとめておきます。

梅は収穫のタイミングで実の色が異なります。梅の産地である和歌山県では6月初旬の頃に収穫するとフレッシュな梅が獲れます。色はまだ青く、実も堅い梅が収穫できます。

青い梅は酸味が強めで風味も強く、食感もカリカリしています。これらの梅は梅酒作りに向いています。しっかりとした硬さのある梅を利用して漬けることで、梅のエキスがたくさん抽出されてかつ風味や酸味もある美味しい梅酒を作ることができます。また、梅シロップやはちみつ漬け、砂糖漬けなど、しっかりと漬けこんで食べるのにも最適です。

一方で、梅干しには不向きです。青い梅は鮮度が大事です。梅は風通しの良い暗所で保管すると追熟してしまい、黄色くなっていきます。

梅酒や梅シロップ・はちみつ漬けなどを作りたい方は、追熟する前に早めに仕込んでおくようにしましょう。

また、収穫時期が6月中旬から下旬になると、梅は黄色く熟していきます。収穫時期には桃のようなフルーティーな香りがし、熟した梅酒は地面のネットに落ちていくので、それを収穫します。熟した黄色い梅は実も柔らかくなり、甘みが出てきます。

この頃に収穫する熟した梅は梅干しに最適です。梅干しにするとやわらかくふっくらした美味しい梅干しになります。また、しその色も染み込みやすいので、しっかりと赤く染まって見た目も良い梅干しが出来上がります。梅干し以外だと梅ジャムにも向いています。フルーティーな完熟梅でジャムを作るとまろやかな甘さと程よい酸味を持つおいしい梅ジャムができます。

一方で梅酒やシロップに浸けこむのは不向きです。これらは青梅を使って作るようにしましょう。

同じ梅でもいつ収穫するかで色や用途が変わっていきます。何を作るかに合わせて最適な梅を選んで、美味しい梅を食べたいですね。